2011年 02月 23日
昨日から、帽子削りを進めております。 現在は、機械を用いて、あらゆる形ができます故に、このようなものを手で削らずとも、大方を機械で削りだしてしまえば良いわけでございますが、拙宅には機械がないことと、機械を持ちうる場所がないがために、いきおいほとんどを手作業でせねばならぬのであります。 以上が私が用いて居る用具であります。 唯一機械が入りますのは、この枝木に穴を穿つ工程でありまして、これだけは、電動ドリルの強力な物をもちいます。 その穴を空けたのが手前の枝木、穴の先と内部を削り込んだものがその向こう、外形を整えたのが一番向こうであります。 外形は鑿で削りだし、細かい部分は小刀で整えてまいります。 なるだけヤスリが要らぬように致します。 手作業の利点は、細部にわたる気遣いが及ぶことであります。 まず材料が悪ければ、削りだしの段階で不具合がございますが、機械では材料の素性は関係ございません。 あとは微妙なカーブをその都度考えながら出していくのであります。 機械で極限まで削り、仕上げれば事足りる物でありますが、現段階でそれをいたしますと、腕は伸びないものであり、機械を扱いきらぬことになりましょう。 手作業で、対話するが如くにしておりますと、それなりに気がつくことがあるものでございます。 しかし、穴掘りから削りだしまでに時間と体力が必要で、日に四つほどが限界であります。 日本の手仕事が廃れていくわけでございます。 一つに高額な投資をするよりも、廉価なものをいくつも重ねて、その中から自分に合うものを探す。 この方が効率的でありましょう。 しかし、丹精を込めるということも、結構なものでございます。 一針一針の妙味をお感じ下されば、用具にもまた異なる愛着が生まれましょう。
by mitsunori55555
| 2011-02-23 20:05
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